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実物がそこにあるから、実物をもう何度も見ているから、写真はいらないと云う写真では、情けない。
実物がそこにあっても、実物を何度見ていても、実物以上に実物であり、何度見た以上に見せてくれる写真が、本当の写真である。 写真は肉眼を超える。 それは写真家個人の感覚とか、教養とかにかかわらない機械(メカニズム)というもっと絶対的な、非情なものにかかわる。時に本質的なものをえぐり、時に鎮末的なものにかかずらおうとも、機械そのものとしては、無差別、平等なはたらきにすぎない。 そこがおもしろいのである。 写真家は、機械のうしろに、小さく小さくなっている。写真家が小さく小さくなって、ついにゼロになってしまったとき、すばらしい写真が撮れているようだ。 しかしゼロになることは、なかなかむすかしい。せいぜい、シャッターを切るとき、あっちの方を眺めるぐらいなものだ。 写真の中でも、ねらった通りにピッタリ撮れた写真は一番つまらない。 「なんて間がいいんでしょう」という写真になる。 そこがむずかしいのである。
by yoo.akira
| 2004-07-27 23:46
| 旅から。土門拳記念館
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